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試験戦略

IELTS リスニング地図問題:言い換えが起きない型の解き方

IELTS の地図・平面図・図解ラベリング。録音が印字どおりの名称を読む理由、2 種類のレイアウト、そして「Part 2・5〜6 問」が傾向であって規則ではないこと。

著者: Ko Inoue13 分で読了

IELTS の多くの問題では、言い換えを聞き取れるかどうかが問われます。本文が「車で走った距離の増加」と言い、設問が「自動車利用の拡大」と言う。そのずれをつかむことが得点の大半を占めます。地図問題は逆で、しかも IELTS 自身がそう書いています。「録音はこれらの名称をそのまま使い、同義語には置き換えません。上の地図なら、録音に出るのは exercise equipment ではなく outdoor gym です」。

たった 1 文ですが、試験の 2〜3 分間の聞き方が変わります。言い換えが得意な人ほどこの型で落とす、という一見あべこべな現象も、これで説明がつきます。他の型で点になる癖のせいで、正しく聞き取った語をかえって疑ってしまうからです。

公式の定義

正式名称は Plan/map/diagram labelling。IELTS が挙げる 6 つの Listening 問題タイプのうち 3 番目です。定義は通称より広く、ラベルを付ける対象は「diagram(機器などの図解)、a set of pictures(絵のセット)、plan(建物の平面図)、map(町の一部の地図)」のいずれでもありうる、とされています。

絵のセット。機械の図解。町の地図の語彙リストだけで準備しているなら、公式の守備範囲のかなりの部分が抜け落ちています。

解答形式も 2 通りあります。「リストから選んで記号を書く」か、「録音の語を空欄に入れる」か。後者には語数制限が付いてきて、書き方は他の型と同じです。「語数制限が示されます。例:『NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER』。制限を超えて書くと、その問題の得点を失います」。

測っている力も明示されています。「場所の描写を理解し、その描写が図とどう対応するかを理解する力」、そして道順を追う力。公式が例に挙げる表現は「straight on」「through the far door」です。

傾向が規則として語られている

この型を検索すると、同じ強さで語られる説明が 2 つ出てきます。「Part 2 に出る」と「5〜6 問」。持ちこたえるのは片方だけです。

Part 2 は本当です。 この記事が何度も引いている IELTS の tips ページは、「IELTS Listening の Part 2 の map・plan 問題」という書き出しで始まります。コンピューター版の公式サンプルも Part 2 からの抜粋として紹介され、紙版サンプルの見出しも PART 2。つまり公式に裏づけのある対応関係で、そのつもりで備えて構いません。ただし、どのタイプがどの Part に来るかを定めた記述は公式のどこにもなく、同じサンプル冊子は別のタイプも Part 2 に置いています。保証ではなく通常のケースとして扱ってください。「地図は Part 2 に来る」と決めた受験者は、Part 3 で警戒をやめてしまいます。

設問数のほうは持ちこたえません。 このタイプの設問数について IELTS が公表している答えは一語、「Variable(不定)」。紙版サンプルは 5 問(設問 11〜15)、コンピューター版サンプルは 3 問、そして tips ページが扱う 3 つ目の例は「Questions 11-17」で 7 問です。公式の例が 3 つあって、数が 3 通り。どれの背後にも公表された規則はありません。

3 つ目の定番の助言には、もう少し小さな訂正が要ります。「地図に道順を書き込め」は本当で、IELTS も書いています。ただし多くの人が省いてしまう限定が付いていて、「Listening の問題用紙に書き込むことは、紙版の試験では認められています」。IELTS は 2026 年半ばから紙版の提供を終える方針で、時期は市場ごとに異なり、多くの市場ではすでに切り替わっています(その内容)。そして画面上の地図に印を付けられるかを述べた公式ページはありません。IDP はコンピューター版でもメモ用の紙とペンが支給されると説明しているので、道順は画面の上ではなく手元に描くことになり、そのぶん視線が往復します。

レイアウトが 2 種類ある。片方は難しい

対策記事がまず触れないことを、IELTS は書いています。「地図・平面図の問題には、実は 2 通りの提示のしかたがあります」。

1 つ目は、番号付きの設問が地図や平面図の上にあり、選択肢のリストがその上か横に並ぶ形。2 つ目は、記号のほうが地図に印字され、番号付きの設問が下に並ぶ形です。

後者では手がかりが 1 つ消えます。IELTS はその帰結まで書いています。「選択肢が地図・平面図に印字されている場合、それらは録音で情報がどう並ぶかを示さないことを忘れないでください(上の地図でいえば、Location C が Location D より先に言及されるとは限りません)」。図の上を左から右へ並んでいると順番に見えますが、順番ではない。並びではなく、刺さっているピンだと思ってください。

どちらの形式かは、音声が始まる前の読み取り時間に確かめます。一方はリストと図の間を目が往復し、もう一方は最後まで図の中だけを見ることになります。

順番は守られる。ただし設問の側だけ

順番の規則はこの型にも効きます。しかもこの型には、一般規則だけでなく直接の裏づけがあります。

まず一般規則。「設問は録音の情報と同じ順番に並びます。1 問目の答えは 2 問目の答えより前に出てきます」。そのうえで Cambridge の指導ノートが、まさにこの問題タイプについて同じことを繰り返しています。ラベルは「録音の順番に従う」と生徒に説明せよ、と。

公式サンプルがそれを具体的に見せてくれます。町の図書館の平面図で、図の上には番号付きの空欄 11〜15、その横のボックスに部屋名が A〜I の 9 個並ぶ。指示文は「ボックスから 5 つ選び、設問 11〜15 の横に正しい記号 A-I を書きなさい」。答えは H、G、D、B、F です。アルファベット順でもなければ、ボックスに並んだ順番でもない。それでも、司書が案内して歩く順番には厳密に従っています。Cambridge も指導ノートと一緒に同じ課題を配布していて、解答は一致します。

だから設問 13 で見失っても、戻らないこと。14 の答えはまだ言われていません。次の番号の空欄に留まって、話し手がそこに着くのを待ちます。

誤答は意図的に読み上げられる

IELTS は、誤りの選択肢が音声に出ることを認めています。「distractor に注意してください。正解ではない選択肢も録音の中で言及されます」。

典型的な失点はこの仕組みから来ます。話し手がカフェに触れる。受験者がカフェに印を付ける。その 2 秒後、話し手が「それは昨年移転して、いまは別のものが入っている」と続ける。場所の名前が出たことと、そこがその答えだと確定したことは別です。印字どおりの名称がそのまま読み上げられる型では、罠を語彙で作れない。だから時間差と言い直しで作られています。

やることはひとつ。話し手がその場所を通り過ぎるまで、ラベルは仮のまま持っておく。画面上なら書き直しても何も失いませんが、早く確定すると失います。

覚えるのは方向表現

Cambridge の指導ノートは練習すべき中身をはっきり書いていて、「地図の単語を覚える」よりずっと狭い。教師への指示はこうです。「平面図を使って、方向の基本表現をクラスで練習する(turn right, left, go straight on, go through, go past, opposite など)」。

駐車場が何かはもう知っています。点を落とすのは、「go past the library and it's on your left」が会話の速さで一度だけ流れ、しかもそのとき視線が図の別の場所にあるからです。語彙の問題ではなく処理速度の問題で、これは朗報でもあります。処理速度は短い反復で伸びるからです。

  • 追跡ドリル。 地図を 1 枚用意し、誰かに曲がり角 4 つ分を普通の速さで読み上げてもらい、カーソルで追う。ラベルも解答もなし。ついていくだけ。
  • 言い直しドリル。 道順を自分で読み上げて録音し、途中に言い直しを 1 つ仕込む。翌日それを再生して、変更に気づけるかを試す。distractor が試しているものそのものの練習です。
  • 絵のドリル。 週に 1 回は町の地図ではなく機器の図解をやる。公式の定義に入っていますし、町の地図の単語帳では歯が立たないのもここです。

1 セットの重さ

Listening は 40 問の素点がそのままバンドに換算されます。試験官の判断は挟まりません(Listening のスコア換算)。ラベリングは 1 つの録音に連続した設問が並ぶので、崩れるときはまとめて崩れます。最初の 20 秒で自分がどこを見ているか分からなくなればセットごと落ち、持ちこたえればセットごと取れる。

だからこの型は、全体練習の中に埋めずに切り出す価値があります。診断も手早く済みます。練習を 1 本解いて問題タイプ別に落とした数を数えれば、「ある Part でラベルを 4 つ落とした」は「Listening が 6.5 のまま動かなかった」よりはるかに多くを教えてくれる。タイプ別の考え方はリスニングの解き方にまとめました。

IELTS Drills はこの回し方のために作っています。すでに出ている点数をもう一度確かめる通しテストではなく、漏れている 1 か所だけを狙って毎日 5 分。

よくある質問

地図問題は何問出ますか? IELTS は数を公表していません。このタイプの「設問数は?」に対する公式の回答は「Variable(不定)」。公式の例は 5 問、3 問、7 問と分かれています。

地図問題は必ず Part 2 ですか? 公式ページはこのタイプを Part 2 の問題として説明していますし、公開サンプルも 2 つとも Part 2 です。ただし、どのタイプがどの Part に来るかを定めた記述はありません。Part 2 を通常のケースとして備えつつ、Part 3 でも警戒を切らさないのが安全です。

答えは順番に並びますか? 設問は並びます。設問が録音の順番に従うことは IELTS が明記していて、Cambridge の指導ノートもこの型について同じことを書いています。記号のほうは並びません。公式サンプルでは答えが H、G、D、B、F です。

録音はラベルを言い換えますか? しません。この型は IELTS のふつうの原則と逆を行きます。IELTS は「録音はこれらの名称をそのまま使い、同義語には置き換えない」と書いています。印字された名称が聞こえたら、それは同義語で作った引っかけではなく、その名称そのものです。

試験中に地図へ書き込めますか? IELTS がその許可を書いているのは紙版についてです。画面上の地図に印を付けられるかを述べた公式ページはなく、紙版は 2026 年半ばから市場ごとに終了していきます。IDP は、コンピューター版でもメモ用の紙とペンは支給されると説明しています。

出るのは地図だけですか? 違います。公式の定義は機器の図解、絵のセット、建物の平面図、町の地図を含みます。町の地図だけを想定した準備では、その多くに触れないままになります。

途中で見失ったら? 次の番号の設問に移って待ちます。答えは設問の順に届くので、逃した 1 問がもう一度来ることはありません。それを探している間に、これから来る分まで落とします。

まとめ

読み取り時間にレイアウトを確かめること。番号付きの設問は順序の情報を持ち、地図に印字された記号は持たないので、備え方が変わります。音声が始まったら図を探さず話し手を追い、話し手がその場所を通り過ぎるまでラベルは仮のままにする。誤答は意図的に読み上げられるからです。印字された名称は信じてよい。この型では録音がそれを言い換えないからです。

そして通説は分けて扱う。Part 2 は公式も書いている強い傾向ですが、規則として定められてはいません。設問数はそもそも公表されていない。「地図に書き込める」という許可はもともと紙版に限定されたもので、その紙版が無くなります。方向表現を会話の速さで 4 つ分、毎日 5 分。セットごと崩れることは無くなります。