IELTS Drills
ブログダウンロード
試験戦略

IELTS と CEFR:B2・C1 は何点?公式の対応と意味

IELTS と CEFR の対応。IELTS 公式が示すのは B2=5.5〜6.5、C1=7〜8。B2 と C1 が実際に何を意味するか、境目にあたるバンド、そして A2 に公式の対応が無い理由を解説します。

著者: Ko Inoue10 分で読了

大学のページには「B2 以上」とある。手元の IELTS は 6.0。これで足りるのか。答えは足ります。しかも IELTS 自身が公開している対応で確かめられる。バンド 5.5〜6.5 が B2、7〜8 が C1。この 2 つで、たいていの疑問は片づきます。

やっかいなのは、「IELTS CEFR」で検索すると互いに食い違う表が並ぶこと。とくに下位レベルで割れます。この記事は IELTS が実際に述べていることだけを扱い、B2 と C1 が実務で何を意味するかを説明し、公式の対応が存在しない範囲については正直に書きます。

IELTS が実際に公開している対応

IELTS はスケールの上半分について、対応をはっきり示しています。

CEFR レベルIELTS バンド
C2(熟達)8.5〜9.0
C1(上級)7.0〜8.0
B2(中上級)5.5〜6.5
B1(中級)4.0〜5.0
A2(初級)非公表
A1(入門)非公表

この表は IELTS 自身のCEFR 対応によります。バンドからではなくレベルから読むと、よくある疑問はそのまま解けます。バンド 6.0 は B2。7.0 は C1。8.5 以上は C2。

IELTS 自身が付けている注意が 1 つ。CEFR はもともと正確な換算の土台として作られたものではないので、各試験機関が自前で調査し、自前の根拠で対応を示す、というものです。つまりこの対応は研究にもとづくもので、換算式ではない。だから境目は、表で見るほどくっきりしていません。

多くの表が飛ばす「境目のバンド」

IELTS は、きれいに整理された表が省いてしまうことをはっきり認めています。IELTS のバンドスコアは CEFR の境目と正確に一致したことがない、と。3 つのバンドはレベルの内側ではなく、その境目の線上にまたがっています。

1 つ目はバンド 5。IELTS は、5 が B1 なのか B2 なのかは明確ではないとしていて、どちらとも言えます。2 つ目は 6.5。C1 の境目は 6.5 と 7 のあいだにあるので、公表された範囲では 6.5 は B2 なのに、実際には C1 の水準で書けている受験者も少なくありません。3 つ目はバンド 8。IELTS はこれを borderline と呼び、8.5 以上を C2 と認めています。

要件がレベルで書かれているときは、ここが効いてきます。C1 を求める課程に 6.5 で出願するなら、レベルの内側にいるのではなく境目に立っている。そして審査で見られるのは数字のほうで、こちらの理屈ではありません。

バンド 4.0 未満に公式の対応は無い

多くの CEFR 解説は、ここから先をこっそり自前の数字で埋めています。A2 を IELTS 3.0〜3.5 と書いている対策サイトも見かけます。これは IELTS が出した数字ではありません。公式の対応はバンド 4.0 から上を扱い、そこで止まる。A2 と A1 には、そもそも公表されたバンドの範囲がありません。

実務的な理由があります。IELTS は、大学や移民当局が実際に求めるレベル、つまり B1 から始まり B2 と C1 に集中する帯で、受験者の力を見分けられるように作られています。4.0 未満のバンドは「この試験が測るように作られたレベルにまだ届いていない」以上のことをほとんど語らない。だから A2 の公式な IELTS バンドは、探しても見つかりません。正確な範囲を示すサイトは、IELTS が示していない空白を勝手に埋めているだけです。

B2 が実際に意味するもの

B2 は「自立した使い手」のレベルで、学部課程の多くが求めるのがここ。B2 では、具体的な話題でも抽象的な話題でも複雑な文章の要点を追え、母語話者とどちらも無理をせずにやりとりでき、幅広い題材について明確で詳細な文章を書けます。

IELTS でいえば 5.5〜6.5。これはかなり幅のある帯です。5.5 も 6.5 も同じ B2 ですが、試験では丸 1 バンド違う。6.5 の受験者のほうが密度の高い読解をこなし、文章の正確さも目に見えて上です。だから「B2」を求める大学は、たいてい具体的な IELTS の数字も併記します。CEFR レベルだけでは、合否の基準としては粗すぎるからです。

C1 が実際に意味するもの

C1 は「熟練した使い手」のレベル。大学院課程や専門職の登録要件が求めるのがここです。C1 では、長く要求の高い文章を理解して含意まで読み取れ、言葉を探している様子を見せずに流暢に表現でき、学術と職業の場面で英語を柔軟に使えます。

これが IELTS 7.0〜8.0。受験者が実際に追いかけているのは、たいていこの B2 から C1 への跳躍です。修士課程の要件がここに置かれることが多く、境目を決めているのは 6.5 から 7.0 への0.5。意味を考えてみてください。6.5 から 7.0 は半バンドというだけでなく、自立した使い手から熟練した使い手への線をまたぐ。多くの要件がちょうど 7.0 に置かれているのは、そのためです。

大学が本当に求めているもの

要件は両方の書き方で示されます。ときには同じ段落の中で。「B2 相当」と「IELTS 6.5」は同じ要件を 2 通りに言ったもので、食い違ったときは IELTS の数字が優先されます。証明書に載るのはそちらだからです。

注意が 2 つ。1 つ目、示された CEFR レベルは範囲なので、5.5 で満たした「B2」でも、同じページの別の場所にある「IELTS 6.0 以上」で落ちることがあります。2 つ目、多くの課程は総合スコアに加えて各セクションの最低点を設けますが、CEFR レベルはそれについて何も語りません。レベルだけでなく、セクション別の最低点を読んでください。

TOEFL・TOEIC・英検との全体像は、各試験の公式 CEFR 対応でつないだスコア換算表に。英検の級と CEFR の関係だけを追うなら英検 IELTS 換算にまとめてあります。境目のどちら側に落ちるかを決める四捨五入はIELTS スコアの計算方法で扱っています。

CEFR レベルを 1 つ上げるには

CEFR レベルには、こういう性質があります。「B2 から C1」を直接練習することはできません。レベルは「何ができるか」の記述であって、課題のリストではないからです。取り組めるのは、その下にある IELTS のバンドのほう。そしてこちらは、具体的なものに分解できます。

Writing と Speaking は各 4 基準で採点されるので、7.0 にしたい 6.5 は、どこもかしこも弱いということはまずありません。たいていは Band Descriptor の 3 つが 7 で、1 つが 6。証明書の上で B2 と C1 を分けているのは、その 1 基準です。しかもそれには名前がある。Task Response、Coherence、Lexical Resource、あるいは Grammatical Range。

これを見せるために IELTS Drills は作られています。漠然とした総合バンドではなく、フィードバックが 1 つの Band Descriptor にタグ付けされて返る。だからレベルの跳躍が、毎日 5 分で叩ける 1 つの軸に変わります。

よくある質問

IELTS 6.5 は CEFR で何レベル? B2 で、その範囲のいちばん上です。ただし IELTS 自身、C1 の境目は 6.5 と 7 のあいだだとも述べているので、6.5 は B2 の内側というより境目に立っています。

C1 は IELTS で何点? バンド 7.0〜8.0 です。C1 を求める大学院の要件に IELTS 7.0 以上が併記されることが多いのは、これが理由です。

IELTS 6.0 は B1? B2? B2 です。B2 の範囲は 5.5 から始まるので、6.0 はその内側に十分入ります。

A2 は IELTS で何バンド? IELTS は A2 と A1 についてバンドの範囲を公開していません。公式の対応はバンド 4.0 から上まで。だから A2 に 3.0〜3.5 のような数字を当てる表は、IELTS 公式の数値にもとづいていません。一方、B1 は 4.0〜5.0 と公表済みです。

CEFR と IELTS のバンドは同じもの? 違います。CEFR はレベルの共通枠組み、IELTS は 0〜9 で採点する試験で、調査にもとづいて自分のバンドを CEFR に対応づけています。1 つの CEFR レベルが複数のバンドにまたがるので、置き換えはできません。

バンドが上がれば CEFR レベルも上がる? いいえ。5.5・6.0・6.5 はどれも B2 なので、半バンド上げても同じレベルのままということがあります。レベルが変わるのは 5.5(B2 へ)、7.0(C1 へ)、8.5(C2 へ)です。

まとめ

IELTS と CEFR の対応は、公開されている 4 つの範囲に尽きます。4.0〜5.0 が B1、5.5〜6.5 が B2、7.0〜8.0 が C1、8.5 以上が C2。バンド 4.0 未満について IELTS は何も示していないので、ほかのサイトで見かける A2 の正確な数字は、公式の対応ではなく誰かの推定として扱ってください。そしてバンド 5・6.5・8 は境目に乗っていることも忘れずに。志望先が求めるレベルを確認したら、そこに併記された IELTS の数字とセクション別の最低点まで見ておく。最後にクリアしなければならないのは、その数字のほうです。他の試験も含めた全体像はスコア換算表に、そして必要なレベルが 7.0 から先にあるなら、やることは Band Descriptor を 1 つずつ、毎日 5 分で。