IELTS Writing Task 2:問題 5 タイプの見分け方と採点 4 軸
IELTS Writing Task 2 は Writing バンドの 3 分の 2 を決めます。問題 5 タイプの見分け方、全タイプに通用する 4 段落構成と 40 分の時間配分、Band Descriptor 4 軸が何を評価するかを band 6→7 の書き換え例つきで解説します。
同じ 2 つの数字でも、どちらがエッセイかでバンドが変わります。Task 2 が 7 で Task 1 が 5.5 なら、Writing は 6.5。入れ替えてエッセイ側が 5.5 を取ると、同じ組み合わせのまま 6.0 に落ちる。Task 2 は 2 倍の重みで平均されるので、250 語のエッセイ 1 本が Writing バンドの 3 分の 2 を握っているからです。
その重さに準備のやり方が釣り合っていない人は多い。単語リストを回し、ときどきエッセイをまるまる一本書き、理由のつかない数字だけが返ってきて、また次の一本を書く。エッセイに必要なのは本数ではなく仕組みです。設問 5 タイプを見分け、全タイプに使える一つの構成を持ち、試験官がエッセイを読む 4 つの基準を知っておく。
この記事がその全体図です。4 つの Band Descriptor それぞれの深掘り記事はすでにあるので、ここはそれらが合流するハブになります。
Task 2 とは何か、どれだけ重いか
まず形式から。Task 2 では、一般的なテーマについての主張や問いが示され、それに対して文章で論じます。最低 250 語、推奨時間は約 40 分。20 分の Task 1 レポートの後に来る二本目のタスクで、採点は 4 基準、重みは等しい。Task Response、Coherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy。各 25% です。
見落とされがちなのは、二つのタスク間の重みのほうです。Writing バンドの計算では、Task 2 が Task 1 の 2 倍に数えられます。総合バンドを出すのと同じ平均の仕組みが Writing の内側でも働いていて、エッセイが Writing の 3 分の 2 を担う。冒頭の計算でタスクの順番を入れ替えただけで 0.5 動いたのは、このためです。
Academic と General Training は Task 2 を共有しています。指示も、最低語数も、4 つの descriptor も同じ。違うのは設問の傾向です。General Training は勤務時間や近所付き合い、家族といった身近な題材に寄り、Academic は教育政策、テクノロジー、環境のような抽象度の高いテーマへ向かう。どちらで準備した Task 2 の訓練も、もう片方へほぼそのまま持ち越せます。
問題 5 タイプと、それぞれが要求するもの
IELTS は「エッセイの公式タイプ一覧」を公表していません。ただ、過去の設問を読み込んでいくと、その文言は 5 つのパターンに収まります。名前はどうでもいい。効いてくるのは、パターンごとに求められるものが違うことです。そして試験官が最初に読む基準である Task Response は、まさにその要求に沿って採点されます。パターンを読み違えると、流暢な 280 語で「誰も聞いていない問い」に答えることになる。
Opinion 型:「to what extent do you agree or disagree?」
設問が何らかの主張を示し、それにどこまで賛成か反対かを問うタイプです。求められるのは一つだけ、選んだ立場をエッセイ全体で貫くことです。「to what extent」という問い方は部分的な立場、つまり条件つきの賛成をはっきり認めており、条件つきの立場のほうが全面的な賛成より書く材料が増えることも多い。許されないのは中立です。賛否を並べたまま結論のどこにも着地しないエッセイは、descriptor の言葉で言えば結論が「unclear, unjustified or repetitive(不明確・根拠不足・反復的)」な答案として読まれ、最初の基準が band 6 で頭打ちになります。
Discussion 型:「discuss both views and give your own opinion」
1 行のなかに要求が 3 つ入っています。一つ目の見方、もう一つの見方、そして自分の意見です。よくある失敗は、前の二つを丁寧に書いて、自分の意見を最終段落の一文に押し込めてしまうこと。band 6 の文言「some may be more fully covered than others(一部が他より厚く扱われることがある)」は、ほぼこのエッセイをそのまま描いています。意見は早めに出して論じること。あとから付け足さない。意見をどこに置くかはdiscussion essay の深掘りで分解しています。
Advantages and disadvantages 型と、1 つの罠
素の形「what are the advantages and disadvantages?」は、良い面と悪い面の両方を扱うことを求めますが、どちらが上かの判定までは求めません。変種の「do the advantages outweigh the disadvantages?」は見た目こそほぼ同じでも、別のタスクです。outweigh と問われたら判定が要ります。どちらが勝つのか、そしてなぜか。outweigh 版にバランスよく並べた一覧で答えれば、正しい英語で設問違いのエッセイを書いたことになります。判定をどこに置くかはadvantages and disadvantages の深掘りで分解しています。
Problem and solution 型
「What problems does this cause, and what can be done about them?」。求められるものは二つ、ほぼ同じ重さです。問題を挙げ、解決策を示し、その二つをつないでおく。挙げた問題のどれにも対応しない解決策は、埋め草として読まれます。ありがちな失敗は、問題に三段落を割いて解決策は一文だけ、というもの。discussion 型を沈める「偏った扱い」とまったく同じ形です。各解決策を問題にどう対応させるかはproblem-solution の深掘りで分解しています。
Two-part question 型
直接の問いが二つ並びます。「Why is this happening? Is it a positive or negative development?」。両方に、順番どおり、同じくらいの深さで答えます。時間切れのときに忘れられるのはたいてい二問目で、答えていないパートが残ると Task Response は大きく下がります。band 5 の文言は「The main parts of the prompt are incompletely addressed(設問の主要パートへの答えが不完全)」です。両方への答え方、とくに意見を求める側の扱いはtwo-part question の深掘りで分解しています。
五つのパターンに対して、身につける習慣は一つです。書き出す前の 60 秒で、設問が求めるものを数える。問いは一つか二つか、意見は要るのか要らないのか。Task Response の得点の大半は、最初の一文を書き始める前のこの一分で決まります。
5 タイプ全部に通用する 1 つの構成
テンプレートを 5 つ覚える必要はありません。4 段落で上の全パターンを賄えます。
- 導入。 やることは二文で済みます。設問を自分の言葉で言い直し、立場を問われていればその立場を、問われていなければ扱う二点を述べる。つかみも格言も「in today's modern world」も要りません。
- 本文段落 1。 中心となる考えを一つ。最初の文で述べ、説明を加え、具体例で見せる。
- 本文段落 2。 二つ目の考え、もう一方の見方、あるいは解決策。組み立て方は同じです。
- 結論。 立場を言い直す一〜二文。新しい内容をここに入れない。
骨組みそのものより効くのは、本文段落の中身です。基本の単位は「主張・理由・実例」。考えを述べ、それが成り立つ理由を挙げ、実際に起きる場面を一つ見せる。述べただけで放り出された考えは、文法がどれだけ正しくても band 6 どまりの段落です。band 7 の descriptor が求めるのは extend and support された(展開され裏づけられた)考えで、「online courses are flexible」の一文と、その柔軟さを実際に使っている学生が見えてくる一文との差が、まさにそれにあたります。
時間の使い方はどのタイプでも同じです。構想 5 分、執筆 30 分、見直し 5 分が標準の配分で、それぞれ別の基準のために使います。構想の 5 分は Task Response と一貫性が決まる時間です。タイプを見きわめ、立場を決め、考えを二つ選んで順番に並べる。最後の 5 分は文法のための時間です。band 7 の文法の文言「error-free sentences are frequent(エラーのない文が頻繁にある)」は、初稿ではなく読み返しのなかで生まれるからです。見直しを削って語数を稼ぐと、エッセイは長くなってもバンドはむしろ下がりがちです。
4 つの Band Descriptor が 1 本のエッセイをどう読むか
試験官は一本のエッセイを、基準ごとに四回読みます。各基準には深掘り記事があるので、ここでは Task 2 で何が評価されるかの要点だけをまとめます。
Task Response が見るのは、設問のすべてのパートに答えたか、最初の行から最後まで明確な立場を保ったか、考えをただ並べるのではなく展開したかです。設問タイプの読み違いが響くのはこの基準で、先の 5 パターンが効いてくる理由でもあります。band 6 と 7 の境目は、Task Response の深掘りが descriptor の文言ごとに分解しています。
Coherence and Cohesion は段落の論理であって、つなぎ言葉の多さではありません。band 7 が求めるのは、一つの中心となる考えの周りに組まれた段落と、読み手が苦労せず追える展開です。「Firstly, In addition, Therefore」の機械的な連鎖は、band 6 の descriptor が言う faulty or mechanical な cohesion そのもの。Coherence and Cohesion の記事では、つなぎ言葉をいくら足しても横滑りするだけで上には行かない理由を扱っています。
Lexical Resource が評価するのは、珍しい単語よりも、正確さと自然な語の結びつきです。band 7 の descriptor が見るのは、文体と語の結びつきへの意識を伴って使われる、あまり一般的でない語彙。難しさではなく、場面への合い方を描いています。類語辞典で置き換えただけの 6.5 のエッセイがむしろ下がる理由は Lexical Resource の記事へ。
Grammatical Range and Accuracy は二つを同時に求めます。構文の幅と、エラーのない文が数多くあることです。途中で崩れる複文よりも、きれいに着地する単文のほうが上に評価されます。この兼ね合いこそ、文法の記事が主題にしているところです。
4 つのうちどれが自分のスコアを抑えているか名指しできないなら、6.5 の壁の自己診断が 4 軸それぞれの症状を順に見ていきます。
Band 6 → 7:同じ段落の書き換え
descriptor は、それが段落にどう効くかを見るまでは抽象論のままです。政府は公共交通に投資すべきだ、と論じる本文段落を band 6 の水準で書くと、こうなります。
Firstly, public transport reduces pollution. Cars produce a lot of emissions and this is bad for the environment. If more people take the bus, there will be less pollution in cities. In addition, public transport is cheaper than driving a car. Therefore, governments should spend more money on it.
間違いはどこにもありません。文法はおおむね保たれ、話題は設問に沿い、つなぎ言葉も揃っています。band 6 がもどかしいのはそこです。エッセイは「ちゃんと書けている」ように見えてしまう。これを書き換えます。
The strongest argument for funding public transport is what it removes from the road. A full bus carries the passengers of dozens of cars, each of which would otherwise run its own engine through the same streets, so every passenger who switches cuts the city's exhaust by one car's worth. Fares decide how many people make that switch, which is exactly where public money works: the cheaper the ticket, the more drivers it pulls out of traffic.
考えも立場も同じ。暗記が要る難単語も増えていません。どこが変わったかを軸ごとに見ていきます。まず Task Response。考えがただ述べられるだけでなく、仕組みを通して展開されています。次に Coherence。段落は最初の文から最後まで一つの話題を保ち、「Firstly」や「Therefore」に頼らず、論理そのものが読み手を導きます。Lexical Resource は、普通の単語が正確な仕事をしているところにこそ精度があります。「pulls out of traffic」「one car's worth」がそれです。文法は、文の形を変えながら、どの文も壊れていません。
「いい内容だから、もう少し詳しく」といったありきたりなフィードバックで 6.5 から動けなくなるのは、この四つの動きのどれが欠けているのかを教えてくれないからです。
Task 2 を毎日 5 分で鍛える
エッセイをまるまる一本書くには 40 分、添削が返るまではもっとかかります。だから本数は増えず、一本あたりの学びも薄くなる。部品ごとに分ければ 5 分で訓練できます。
- 構想だけドリル。 設問一つ、5 分、エッセイは書きません。タイプを名指しし、立場を一文で書き、中心となる考えを二つ選び、それぞれに実例を一つ添える。書き上げないエッセイでも、Task Response を左右する「読み」は鍛えられます。
- 1 段落ドリル。 考えを一つ取り、主張・理由・実例の単位で組み立てる。急いで書いた一本より、質のいい本文段落一つのほうが学びは多い。小さいからこそ、書き終えたあとに band 7 の文言と突き合わせられます。
- 書き換えドリル。 過去のエッセイから band 6 っぽい文を一つ抜き出し、二回書き換える。一回は語の精度のため、もう一回は文の形のため。先の例でやったことを、自分の文章でやってみる。
5 分で一軸ずつ。IELTS Drills はその考えで作られています。フィードバックは一つの Band Descriptor にタグ付けされて返るので、エッセイが 6.5 に着地し続けるとき、足りない 0.5 が Task Response にあるのか、一貫性か、語彙か、文法かが見えてきます。添削の返らないエッセイをもう一本書く代わりに、その一軸を集中して鍛えられます。
よくある質問
何語書けばいい? 最低 250 語です。上限はなく、長く書いても加点はありません。250 語に届かないと、Task Response でそのまま失点します。300 語を超えたあたりからは、語数が増えるほど、文法の正確さを支える見直しの時間が削られていく。コンピューター版では語数が表示されるので、数える必要はありません。Writing on Paper で受けるなら、自分の手書きで 250 語がどのくらいの分量になるかを試験前に確かめておいてください。
Task 2 に結論は要る? 要ります。Task Response の descriptor は、結論まで導かれた立場を前提にしています。ぷつりと終わるエッセイは、二つの基準で同時に未完成と読まれてしまう。立場を言い直す一文で十分です。overview を求め、結論は求めない Task 1 とはちょうど逆です。
テンプレートの暗記はあり? 構成はあり、文はなしです。4 段落の骨組みと構想の習慣は、どの設問でも使い回せます。作り置きの文は使い回せません。目の前の設問に答えていないからです。何百本も読む試験官は、設問に「ほぼ合っている」だけの段落を見抜きます。設問に噛み合っていない内容は、どれだけ磨かれていても Task Response で失点します。
Academic と General Training で Task 2 は違う? 形式、250 語の下限、4 つの Band Descriptor、時間、どれも同じです。違うのは題材の寄り先で、General Training は日常生活に近く、Academic はより抽象的。片方の準備は、もう片方へほぼ丸ごと持ち越せます。
Task 2 はどう採点される? 4 基準が各 25%。Task Response、Coherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy です。4 つの平均が Task 2 のバンドになり、それが Task 1 の 2 倍の重みで Writing バンドに入ります。
時間が足りなくなったら? 立場を締めてください。二文の短い本文段落と一行の結論のほうが、長い書きかけの段落を結末なしで放り出すより上です。書きかけのままだと、タスクのパートを一つ空けたうえに立場も宙ぶらりんになる。どちらも Task Response の失点です。そもそもそうならないよう計画しておく。5 分の構想は、エッセイを持ち時間に合わせて仕立てるためにあります。
まとめ
Task 2 は Writing バンドの 3 分の 2 を占め、書く前の「読み」が報われるタスクです。設問タイプを名指しし、求められたパートを数える 60 秒は、どんなフレーズ集よりも Task Response を守ってくれます。4 段落の構成が一つあれば、5 パターン全部に対応できる。その内側では「主張・理由・実例」の単位が、述べただけの考えと展開された考えを分け、その結果を 4 つの Band Descriptor が各 25% で別々の角度から採点します。
だから練習を「書き上げたエッセイの本数」で測るのはやめて、鍛えた部品の数で数えてください。構想を一つ、段落を一つ、書き換えを一つ。IELTS Drills なら、そのどれにも一つの Band Descriptor がタグ付けされたフィードバックが返ってきます。毎日 5 分で、エッセイが 0.5 を奪う側から、取り返す側へ変わるまで。


