IELTS ジェネラル Writing Task 1|手紙の書き方と4軸採点
IELTS ジェネラルの Writing Task 1 は手紙。採点は Academic と同じ4軸ですが、Task Achievement で問われるのは文体・3つの要点・目的です。Band 6 と 7 を分ける文体の一貫性から、フォーマルとインフォーマルのモデル手紙まで解説します。
ジェネラルを受ける人の多くは、Task 1 を軽い肩慣らしのメール程度に見がちです。設問を読み、さっと手紙を書き、本気はエッセイに取っておく。そして返ってきた Writing のバンドは、エッセイの手応えより下。取りこぼしていたのは手紙のほうです。
Task 1 は Writing スコアの3分の1を占めます。2つのタスクはTask 2 を2倍に重みづけして平均されるので、しっかり書いたエッセイの隣で手紙が弱いと、それだけでバンドが0.5、ときにそれ以上下がる。この記事で扱うのは、IELTS General Training Writing Task 1 で試験官が何を見ているか。そして、どこで0.5を失うか、です。
IELTS General Training Writing Task 1 は手紙、グラフではない
ジェネラルの Task 1 は、ある状況が与えられ、150語以上の手紙を約20分で書く課題です。設問には宛先(誰に書くか)と、手紙で必ず触れる3つの要点が並びます。不良品への苦情なら、要点は「何を買ったか」「どこが不具合か」「どうしてほしいか」の3つ、といった具合。この3つを全部押さえ、しかも実在の人が書いたように読める手紙にする。それが仕事です。
採点はAcademic の Task 1(グラフ)やTask 2 のエッセイと同じ4基準です。Task Achievement、Coherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy で、各25%の等しい重み。このうち3つは Writing の他の場面とほとんど変わりません。変わるのは Task Achievement です。報告すべきデータも、書くべき概要(overview)もない。試験官が見るのは別のこと。手紙の目的がはっきりしているか、読み手に合った文体か、3つの要点をすべて押さえて展開しているか。Academic で概要を鍛えてきたなら、ここでは一度しまってください。手紙に概要はなく、2つの Task 1 が分かれるのはまさにこの点です。
最初に決めるのは文体
ジェネラルの手紙で最初に決めるのは、文の中身ではありません。文体、つまりどれくらいかしこまるか。それも書き始める前に決まります。宛先は誰か。
| 文体 | 宛先 | 書き出し(greeting) | 結び(sign-off) | 書き方 |
|---|---|---|---|---|
| フォーマル | 見知らぬ相手・組織:銀行、役所、企業、新聞社 | "Dear Sir or Madam,"(名前不明)/"Dear Mr Smith,"(名前あり) | "Yours faithfully,"(名前不明)/"Yours sincerely,"(名前あり) | 短縮形やくだけた語を使わず、完全な文で |
| セミフォーマル | 面識はあるが改まった相手:大家、上司、隣人 | "Dear Mr Jones," / "Dear Ms Lee," | "Yours sincerely," / "Best regards," | 丁寧に、少し親しみを。くだけた語は避ける |
| インフォーマル | 友人・家族 | "Dear Anna," / "Hi Tom," | "Best wishes," / "Take care," / "Love," | 短縮形も可、くだけた調子、句動詞も歓迎 |
宛先は設問からそのまま読み取れます。「ある企業の店長に書きなさい」ならフォーマルで、たいてい名前は不明。だから "Dear Sir or Madam," と "Yours faithfully," の組み合わせです。「友人に書きなさい」ならインフォーマル。「新しい隣人に書きなさい」はその中間。つまずきやすいのは書き出しと結びの対応です。"Yours faithfully," は "Dear Sir or Madam," と、"Yours sincerely," は名前入りの書き出しと組む。ここを取り違えると、目に見える小さな失点になります。
文体に節を1つ割く理由はここにあります。Band Descriptor でも、文体は6と7の分かれ目に置かれています。公式の IELTS Writing Task 1 の Band Descriptor(Updated May 2023)では、Band 6 に「there may be minor inconsistencies in tone(文体に小さな不統一があることがある)」、Band 7 に「the tone is consistent and appropriate to the task(文体が一貫し、課題にふさわしい)」とあります。6と7を分けるのは、語彙でも文法でもないことが多い。フォーマルな苦情文に紛れ込んだ1つのくだけた言い回しだったり、旧友への手紙の、教科書みたいに硬い書き出しだったり。文体を決めたら、最後の1行まで崩さない。
Task Achievement:3つの要点を押さえ、展開する
手紙の Task Achievement を決めるポイントは2つ。目的を書き出しの1文ではっきりさせること。そして設問の要点をすべて押さえ、どれも1文で終わらせずに広げることです。
2つ目について、descriptor の記述ははっきりしています。Band 6 のジェネラルの手紙は「all bullet points are covered and adequately highlighted(すべての要点が押さえられ、十分に強調されている)」。Band 7 では「covered and clearly highlighted but could be more fully or more appropriately illustrated or extended(押さえて明確に強調しているが、もっと十分に、もっと適切に例示・展開できた)」。差を読み取ってください。6は3つに触れた状態、7は具体で展開した状態です。Band 5 まで落ちると「one or more may not be adequately covered(1つ以上が十分に押さえられていない)」。だから安全な形は、要点1つにつき段落1つ。それぞれに具体的な事実か例を1つ載せる。これが Band 6 を越え、7を狙う形です。
細かい得点源が2つ。細部は自由に作ってかまいません。設問は作り話の状況設定なので、日付や名前や理由をでっち上げるのは前提で、減点もされない。もう1つ、150語以上は必ず書く。下回るとAcademic の Task 1と同じく直接減点されます。
Coherence and Cohesion:手紙を段落で組む
Coherence and Cohesionで問われるのは、読み手が引っかからずに追える手紙かどうかです。その形はほとんど自動的に決まります。書き出しの挨拶。目的を述べる1行。要点1つにつき1段落。短い結びの1行。4〜5個の短いまとまりが、それぞれ1つの役目を担う。
Coherence を落とすパターンは2通り。3つの要点を1つの詰まった段落に押し込むか、どの文も同じつなぎ表現で次に引っかけるか。つなぎ表現は考えをつなぐもので、飾りではありません。この「まとめる」形は descriptor でも評価されます。Band 6 では「information and ideas are generally arranged coherently and there is a clear overall progression(情報と考えがおおむね一貫して並び、全体の流れが明確)」、Band 7 になると「logically organised(論理的に構成)」で、つなぎ表現が「used flexibly(柔軟に使われる)」。形式のルールも1つ。手紙の中身は散文です。設問に3つの要点があると番号を振りたくなりますが、手紙の中に箇条書きは入れない。
Lexical Resource:型の言い回しを、相手に合わせて
ジェネラルの手紙は、決まった機能表現に頼ります。その場にふさわしい文体の一方を選べるかが、ここでのLexical Resourceの大半です。書き出し、依頼、苦情、謝罪は、どれもフォーマルとインフォーマルの2つの型を持っています。
| 何をする | フォーマル | インフォーマル |
|---|---|---|
| 書き出し | "I am writing to enquire about…" | "I just wanted to ask about…" |
| 依頼する | "I would be grateful if you could…" | "Could you…?" |
| 苦情を言う | "I am writing to express my dissatisfaction with…" | "I'm really not happy about…" |
| 謝る | "Please accept my apologies for…" | "I'm so sorry about…" |
| 結ぶ | "I look forward to your prompt reply." | "Hope to hear from you soon!" |
あまり一般的でない語に飛びつくより、正確さが先です。ふさわしい表現を正確に積んだフォーマルな苦情文は、外した慣用句を詰め込んだ手紙より高く出る。この点は descriptor にも注意書きがあります。Band 6 では、幅を狙って冒険する書き手は「higher degrees of inaccuracy or inappropriacy(不正確さや不適切さの度合いが高くなる)」とされます。表現を文体に、文体を読み手に合わせる。
Grammatical Range:丁寧で、しかも崩れない構文
Grammatical Range and Accuracyで問われるのは、単文と複文を混ぜて正確に使えているかどうかです。手紙で特に効く構文がいくつかあります。丁寧さを支えるのは条件法と法助動詞("I would appreciate it if you could…"、"It would help if…")。時制の幅で、起きたこと・今の状態・これからしてほしいことを書き分ける。ただし幅は正確さがあって初めて点になります。目標は各 Band の記述からはっきり分かります。Band 6 は「a mix of simple and complex sentence forms(単文と複文の混在)」でも「flexibility is limited(柔軟性が限られる)」、Band 7 は「a variety of complex structures(多様な複雑構文)」を「with some flexibility and accuracy(ある程度の柔軟さと正確さで)」使い、「error-free sentences are frequent(誤りのない文が頻繁)」。正しい単文と複文の連なりのほうが、途中で崩れる背伸びした構文より上です。まず確実に使える構文で書き、そこから広げてください。
実際に出る手紙の種類
ジェネラルの Task 1 の設問は、たいてい決まった状況のどれかです。不良品や不手際への苦情。情報・休暇・変更の依頼。仕事や講座への応募。欠席やミスの謝罪。段取りの説明や道案内。友人への招待やお礼。文体は種類ではなく相手で決まります。企業への苦情はフォーマル、友人への招待はインフォーマル、上司へのひと言はセミフォーマル。
2つのモデル:フォーマルな手紙とインフォーマルな手紙
よくある設問で見てみます。買った洗濯機が動かなくなった。店長に手紙を書き、何を買ったか、どこが不具合か、どうしてほしいかを述べなさい。短めの解答例です。
Dear Sir or Madam,
I am writing to complain about a washing machine I bought from your Oxford Street branch on 3 March, which has since developed a serious fault.
The machine stops halfway through a cycle and leaks water across the floor. This has happened four times in the past week, and on the last occasion it damaged the kitchen flooring. I still have the receipt and the warranty card, both of which confirm the purchase is covered.
I would be grateful if you could arrange for a replacement to be delivered, along with an engineer to assess the water damage. Given the inconvenience, I would also appreciate a reply within seven days.
Yours faithfully, [Full name]
それぞれの狙いを見てください。書き出しはフォーマルで名前なし。末尾の "Yours faithfully," と対応します。最初の1文は冒頭の数語で目的を述べ、同時に1つ目の要点(何をどこで買ったか)まで一緒に差し込む。支店名や日付といった具体的な情報を入れれば、手間をかけずに Task Achievement が上がります。中の段落は2つ目の要点、不具合を、その結果まで含めて展開する。最後の段落は3つ目、どうしてほしいかを丁寧な条件法で書く。短縮形はどこにも紛れ込ませない。本番では各段落をもう少し伸ばして150語に余裕で届かせますが、要素はここに全部あります。
今度は文体を反転させます。友人があなたの街に来る。滞在中に何をするか提案する手紙を書きなさい、という設定です。
Hi Tom,
Great to hear you're finally coming over in May. I've been hoping you'd make it for ages.
You'll land right in the middle of the arts festival, so the city will be packed but brilliant. Stay the first weekend at least, and we can sort out a gallery day and a trip to the coast once you know your dates.
Let me know when your flights are booked and I'll take a couple of days off work.
Take care, [First name]
同じ課題で、文体は正反対です。ファーストネームの書き出しと "Take care," の結び、全体を通した短縮形、そして "sort out" のような日常の句動詞。どれも苦情文なら浮いてしまう。文体は一貫したまま、見知らぬ相手ではなく友人に合わせて調子を変えているだけ。この一貫性こそ、どちら向きでも評価される要素です。
1軸ずつ、毎日5分で叩く
手紙を丸ごと書くと4基準に同時に広がるので、返ってきた「Band 6」は、どの軸で落としたかを教えてくれません。小さなドリルがそれを切り分けます。
- 文体ドリル。 設問を1つ選び、書き出しの挨拶・目的の1行・結びだけを3通り書く。フォーマル、セミフォーマル、インフォーマルで1回ずつ。2分で、いちばん点が動く選択を鍛えられます。
- 要点カバードリル。 3つの要点それぞれに1文、続けて展開の1文を書く。手紙を丸ごと書かずに Task Achievement だけ確かめられる。
- 文体チェックドリル。 フォーマルな手紙を1通取り、友人なら使う語に全部印を付ける。置き換えるか消す。文体と Coherence を1回でさらう。
これが IELTS Drills の作りです。フィードバックは1つの Band Descriptor にタグ付けされて返るので、手紙で0.5を落としたとき、原因が文体なのか、薄い要点なのか、文法なのかが分かる。そしてその1つを毎日5分で叩けます。
よくある質問
手紙はどれくらいの長さ・時間? 最低150語、約20分。150語を下回ると直接減点されます。20分を超えると、2倍の重みを持つ Task 2 の時間を奪う。
フォーマルかインフォーマルか、どう見分ける? 読み手で決まります。名前のない担当者や組織あてならフォーマル("Dear Sir or Madam," / "Yours faithfully,")。名前はあるが親しくない相手は "Dear Mr/Ms X," / "Yours sincerely,"。友人や家族はインフォーマルです。
細部は作っていい? いいです。設問は状況設定なので、具体的な日付・名前・理由をでっち上げるのは前提で、3つの要点を展開する助けにもなります。
冒頭に住所や日付を書く? 書きません。挨拶から始めます。IELTS の手紙は、実際の手紙にある住所欄を省きます。
手紙の中で箇条書きを使っていい? だめです。設問は押さえるべき3つの要点をくれますが、手紙そのものは段落で続く散文です。
ジェネラルの Task 1 は Academic より簡単? 簡単ではなく、別物です。読むグラフはないけれど、文体とかしこまり方が細かく見られる。2つの版で基準が分かれるのはここだけです。
段落はいくつ? 4〜5つ。挨拶、目的を述べる1行、要点1つにつき1段落、短い結び。
まとめ
ジェネラルの Task 1 は Writing バンドの3分の1を占める手紙で、点差はエッセイ中心の人が見落とす場所で生まれます。まず文体。誰に書くかからフォーマル・セミフォーマル・インフォーマルを選び、最後の1行まで崩さない。その一貫性が、Band 6 と 7 を分ける差そのものであることが多いからです。次に3つの要点をすべて押さえ、どれも展開する。手紙をきれいな段落で組み、正確に使える表現と構文だけで書く。次の練習では、まず挨拶と目的の1行と結びから書いて、文体が読み手に合っているか確かめてください。IELTS Drills なら、フィードバックは、その手紙の足を引っぱっている1軸にタグ付けされて返ります。毎日5分で。


