IELTS bar chart(棒グラフ)Task 1:static と dynamic
IELTS Writing Task 1 の bar chart(棒グラフ)。static と dynamic の見分け、それぞれに必要な比較表現と時制、概要(overview)の書き方、そして Band 9 モデルを解説します。
多くの bar chart ガイドは、構成も語彙も1セットだけ渡してきます。そこに落とし穴がある。bar chart には2種類あって、必要な扱いが正反対だからです。下軸に年が並ぶ bar chart は、じつは姿を変えた trend。ある一時点でカテゴリを比べる bar chart は、そうではない。片方をもう片方として読むと、概要も時制も語彙もずれて、その分だけ Task Achievement のスコアが下がります。
この記事は bar chart に絞ります。static と dynamic をどう見分けるか、それぞれの概要(overview)で何を言うか、語彙スコアを押し上げる比較文法、そして点が入る理由つきの Band 9 モデル。Writing Task 1 ガイドと7つのチャート型を親記事に、この型だけを深掘りします。
bar chart は static か dynamic か、まず軸を見る
書き出す前に、下軸に時間があるか確かめてください。この1点で、レポートの書き方が丸ごと決まります。
dynamic な bar chart は、下軸に年や日付があり、時間に沿った変化を示します。line graph が示すものとまったく同じで、ただ棒で描かれているだけ。ここでは動きを描く。何が上がり、何が下がったか、期間を通して。概要は全体の trend を名指しし、終わった期間なら時制は過去、語彙は trend 語彙。つまり line graph と同じ扱いで、あの記事の内容がそのまま当てはまります。
static な bar chart は、下軸に時間ではなくカテゴリが並ぶ。国、年齢層、商品などを、ある一時点で測ったものです。何も動かないので、描くべき trend がない。代わりに大きさを比べる。概要は最大と最小、そして際立つ差を名指しし、時制はその一時点の年に合わせる。年が示されていなければ現在形、過去の年に設定されていれば過去形。語彙は trend 語ではなく比較表現です。static なチャートに「increased」と書けば、チャートが示していない変化を描いたことになります。
試験に出る bar chart はほとんどが static なので、この記事は以降そこに絞ります。時間軸があれば、line graph の書き方に切り替えてください。
概要(overview)
これを書くか、Band 5 を受け入れるか。Academic の Task Achievement で概要が最初に出るのは Band 6 の「a relevant overview is attempted(適切な概要が試みられている)」。概要のないレポートは、Band 5 の「there may be a tendency to focus on details(詳細に偏る傾向がある)」に当たり、全体像がありません。1〜2文、「Overall」で始め、具体的な数字は入れない。
static なチャートでは、概要で比較の形を示します。全体でどのカテゴリが最大か、そしてグループ間の差がいちばん大きいのはどこか。2つの年齢層の月々の支出のチャートなら、概要はこうなります。「Overall, housing was the largest expense for both age groups, but the two differed most sharply on leisure, on which the older group spent far more.」最大のカテゴリと際立つ差を、数字を1つも使わずに名指ししている。これが Band 6 のチェックポイントです。
棒はグループにまとめる。左から順に読まない
Band 8 の Task Achievement は「key features are skilfully selected(主要な特徴が巧みに選ばれている)」で、static なチャートでは選ぶことがすべての技術です。カテゴリ4つ×グループ2つのチャートなら棒は8本。8本を順に語るためではありません。
まとめてください。カテゴリでまとめても(housing の棒を全部、次に food…)、グループでまとめても(若い層の支出を全部、次に年上の層)よい。本論2段落はその分け方に従います。比較がいちばんくっきり出るまとめ方を選ぶ。たいていは、最大の対比を隣り合わせにする分け方です。そして各点を2〜3個の数字で支える。全部の棒ではなく。現れた順に8つの値を読み上げるレポートは何も選んでおらず、平板に読まれる。それが Band 5 の「focus on details」が言い当てている状態です。
比較表現と、それを支える文法
static な bar chart は Lexical Resource と 文法 が一緒に表れる場所です。比較が課題そのものだから。主な道具は3つで、3つ目が Band 7 と Band 6 を分けます。
まず比較級。higher than, lower than, greater than, more than。最上級は両端を名指しする。the highest, the largest, the least。ただし range を示す印は、倍数と分数です。どちらが大きいかだけでなく、どれだけ大きいかを言う。「The older group spent three times as much as the younger group.」「Fast food made up half as much of the diet as vegetables.」「Spending on housing was roughly double that on transport.」twice as many, three times higher, half as much, a third of, half as much again といった表現が、平板な比較を精密な比較に変える。そして精密さを上の Band は評価します。descriptor からの注意が1つ。制御なしに珍しい語へ手を伸ばすと「inaccuracy or inappropriacy(不正確・不適切)」が増え、Band 6 の語彙記述では、それが減点対象になる。無理に珍しい語を使うより、正確な「twice as much」のほうが高く評価されます。
4つの段落
- 導入。 1文。チャートのタイトルを自分の言葉で言い換える。何を測っているか、単位、カテゴリや期間を入れて。設問を写さない。写した1文は語数に数えられません。
- 概要。 1〜2文、「Overall」で始め、最大と最小、際立つ比較を示す。数字は入れない。
- 本論1。 1つ目の棒のグループを、数字を少し添え、少なくとも1つの明確な比較を入れて描く。
- 本論2。 2つ目のグループを、同じ作りで。
時制はチャートに従う。過去の年が示された static なチャートは過去形、年のない一般的・現在の状況なら現在形。dynamic なチャートは line graph と同じ過去形。誤ると、書きぶりが良くても文法の誤りとして採点されます。
Task Achievement を Band 別に
descriptor に当てはめると、これが採点に変わります。Band 7 は Academic で「presents a clear overview, the data are appropriately categorised, and main trends or differences are identified(明確な概要を示し、データが適切に分類され、主な trend や差が特定されている)」。概要があり、棒がまとまり、主要な比較が名指しされている。Band 6 は「a relevant overview is attempted(適切な概要が試みられている)」止まりで、まとめ方はゆるい。Band 5 は「there may be a tendency to focus on details(詳細に偏る傾向)」で、全体像がない。8本を順に読むレポートがこれに当たる。5 から 7 の差は、概要とまとめ方で、語彙ではありません。
Band 9 モデルと、その理由
よくある設問を見てみましょう。「The bar chart below shows the average monthly spending, in pounds, on four categories by two age groups, people in their twenties and people in their fifties, in one country in 2020.」
The bar chart compares how much two age groups, those in their twenties and those in their fifties, spent each month on average across four categories in one country in 2020, measured in pounds.
Overall, housing was the largest single expense for both age groups, yet the two differed most on leisure, on which the older group spent considerably more, while the younger group put more into housing than their older counterparts.
Housing was the biggest expense for both groups, and the two were fairly close on it, at around 850 pounds a month for the younger group and 780 for the older, with the younger paying slightly more. Food was also similar, at roughly 300 pounds for the younger group and 360 for the older.
The discretionary categories told a different story. On transport the younger group spent about 240 pounds, a third more than the 180 spent by the older group. Leisure produced by far the sharpest contrast on the chart: the older group spent around 480 pounds, four times the 120 pounds spent by the younger group, the widest gap between the two.
このレポートの動きを見てください。導入は設問を写さず言い換える。概要は最大のカテゴリと際立つ差を、数字なしで名指しする。本論2段落は種類でまとめ、生活の必需分を先に、自由に使う分を後に。8本を順に行進しません。そして比較が精密です。「a third more」「four times」「the widest gap」、これが上の Band が評価する倍数・分数の表現です。185語ほど、2020年の一時点なので過去形、全体を通して比較。
Band 6 で頭打ちにする失敗
頭打ちになる bar chart レポートの多くは、いくつかの失敗のどれかで止まり、最初のがいちばん高くつきます。
dynamic を static として読む、あるいはその逆。trend のチャートを平板な比較で描いたり、比較のチャートに「rose」「fell」を使ったりすると、チャートが示していないものを報告することになる。概要なしは Band 5 の罠で、導入のすぐ後から棒を並べ始めるレポート。全部の棒を順に読むのはその近い親戚で、8つの値を何も選ばずに語り、「focus on details」の記述に当たって減点される。数字のない比較は印象が薄い。「the older group spent more」は「spent three times as much」より弱く、倍数の表現を使わないまま終わる。そして設問を丸写しした導入は、語数に数えられません。
毎日5分で叩く
通しのレポートは20分かかり、採点まで何日もかかる。Task Achievement を決める2つ、型の判別と棒のまとめは、もっと短い時間で鍛えられます。
- 型判別ドリル。 Task 1 のチャートを5つ取り、1つの確認で static か dynamic かを札付けする。下軸に時間はあるか。1問30秒で、まちがったレポートを書かずに済みます。
- 倍数ドリル。 棒を2本取り、比較を3通りで書く。比較級(higher than)、当てはまれば最上級、そして倍数か分数(twice as much, half of)。語彙スコアを上げるのは3つ目です。
- まとめドリル。 static なチャートで、書く前にカテゴリでまとめるかグループでまとめるかを決め、棒をその順に並べる。その並べ替えが、そのまま本論2段落です。
これが IELTS Drills の作りです。フィードバックは1つの Band Descriptor にタグ付けされて返るので、Task 1 レポートが6.5で止まったとき、0.5を落とした原因が、抜けた概要なのか、弱いまとめ方なのか、薄い比較表現なのかが分かる。そしてその1つを毎日5分で叩けます。
よくある質問
static と dynamic の bar chart は何が違う? dynamic は下軸に時間があり変化を示すので、line graph と同じく過去形で trend を描く。static は一時点でカテゴリを比べるので、比較表現で大きさを描く。書く前に、軸に時間があるか確かめてください。
bar chart のレポートは何語書く? 最低150語、160〜190語が快適な幅。150を切ると Task Achievement に響き、190をかなり超えると、選び落とすべき詳細を書いていることが多い。
時制は? 過去の年が示された static なチャートは過去形、年がなければ現在形。dynamic なチャートは line graph と同じ過去形。
描写と比較、どちら? 比較です。static な bar chart の眼目は比較なので、比較級・最上級・そして少なくとも1つの倍数(twice as much)を組み込む。棒を単独で描くと、チャートの目的を外します。
本論はどう分ける? 棒をまとめる。カテゴリでもグループでもよく、その分け方で2段落を割る。最大の対比が隣り合う分け方を選び、各段落を全部ではなく2〜3個の数字で支えます。
まとめ
bar chart は、書く前の1つの確認で決まります。static か dynamic か。時間軸があれば trend で、line graph と同じ過去形。カテゴリなら比較で、比較級・最上級・そして「three times as much」のような倍数で描く。どちらでも、数字のない概要で Band 5 の落とし穴を避けられ、棒をまとめれば左から順に読むより伝わり、精密な比較表現で語彙スコアが上がる。残り5つの図と、それが概要をどう変えるかはチャート型ガイドに地図があり、line graph・pie chart・map・process diagram・table・combinationの深掘りも並んでいます。ここでの勝負は、型と比較でした。IELTS Drills なら、どの軸で0.5を落としているかを、フィードバックが教えてくれます。毎日5分で。


