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Band Descriptor

IELTS map(地図)Task 1 の書き方|時制・方位表現と Band 9

IELTS Writing Task 1 の map(地図)の書き方。3つの出題パターンで変わる時制、方位と変化の語彙、変化ごとではなくエリアごとに分ける構成、「in the north」と「to the north」の違い、そして Band 9 モデルを解説します。

著者: Ko Inoue18 分で読了

map で点を落とすのは、技術が足りないからではなく、書き方の癖がそのまま出るからです。line graph をうまく処理できる人が2枚の地図を開き、左上から始めて、目に入った順に違いを片っ端から語っていく。出来上がるのは、事実は正確でも読みづらく、Band 6 で止まるレポートです。まとめてもいないし、要約もしていないからです。

他の図で通用したルールも、map では通じません。数値がないので trend も割合表現もない。代わりに文法の点を決めるのが時制で、その時制は3つある出題パターンのどれを渡されたかで変わります。この記事はその全部を扱います。3つのパターン、方位の表現、本論をエリアで分ける方法、そして点が入る理由つきの Band 9 モデル。Writing Task 1 ガイドと7つのチャート型を親記事に、この型だけを深掘りします。音声を聞きながら地図にラベルを付ける Listening の問題を探して来たなら、そちらは地図・平面図のラベリングで、試験も問われる力も別物です。

map の3つの出題パターンと、対応する時制

何より先に、地図の下の年号を見てください。そこでレポート全体の時制が決まります。そして地図のレポートで文法の点をいちばん落としやすいのも、この時制です。

2枚とも過去(たとえば1990年と2010年)。すべて完了しているので過去形、多くは受動態で書きます。the woodland was cleared、a car park was built、the school was converted into flats。いちばん多いパターンです。

過去の1枚と現在(1990年と現在)。変化が今まで続いているので、変化そのものには現在完了が合います。the harbour has been redeveloped、shops have replaced the warehouses。年号がはっきりして完了している事柄には過去形も使えます。

現在と将来の計画(現在と「計画されている開発」)。まだ何も起きていないので、未来形や法助動詞に切り替えます。a bridge will be built、the factory is to be demolished、the site is due to become a park。このパターンを過去形で書くと、起きていない変化を起きたことにしてしまう。文法である以上に内容の誤りです。

まれに比較のない1枚だけの地図が出て、今の場所をそのまま描写させることもあります。これは現在形で、変化のレポートではなく描写。だから概要も、変化ではなく配置を名指しします。

時制がこれだけ効くので、Task 1 の図のなかで Grammatical Range and Accuracy がいちばん見えるのが map です。受動態も飾りではありません。The forest was cleared を選ぶのは、誰がやったのかが地図に書かれていないからです。

概要は、細部ではなく「何になったか」を書く

これを書くか、Band 5 を受け入れるか。Academic の Task Achievement で概要が最初に出るのは Band 6 の「a relevant overview is attempted(適切な概要が試みられている)」。概要のないレポートは Band 5 の「there may be a tendency to focus on details(詳細に偏る傾向がある)」に当たり、全体像がありません。

map の概要が答えるのは1つの問いです。この場所は、どういう場所になったのか。どの建物が動いたか、ではありません。変化の性格です。たとえば「Overall, the village was transformed from a small rural settlement into a tourist resort, with most of the farmland along the coast built on and the original road network extended.」この1文だけ読んだ試験官にも、その場所に何が起きたか分かります。「Overall, there were many changes to the map」と比べてみてください。何も名指ししておらず、どの Band にも届きません。

使いやすい型は、農村から住宅地へ、工業地から商業地へ、未開発から市街地へ、あるいは逆に緑地が広がる形。そこに開発が広がった方角を足す。たいてい2番目に大きい特徴がそれだからです。

変化ごとではなく、エリアごとに分ける

Band 8 の Task Achievement は「key features are skilfully selected(主要な特徴が巧みに選ばれている)」。map では、この「選ぶ」問題が実質的に「構成」の問題になります。

つい変化ごとに書きたくなります。学校が集合住宅になり、次に店が閉まり、次に道が広がり、次に木が植えられ。これでは形のない一覧ができるだけ。代わりに場所でまとめると、レポートは勝手に整います。本論2段落をエリアで割る。北と南、海沿いと内陸、川の周辺とそれ以外。各段落で、そのゾーンに何が起きたかを扱います。

もう1つの割り方は時間で、地図に「前と後」の性格がはっきり出ているときに使います。1段落目で元の配置、2段落目で何がそれに取って代わったか。どちらでもかまいません。うまくいかないのは、紙の上を目で追った順に書くこと。それは変化を説明する順ではなく、読み手が組み立て直さないといけない順だからです。これは語彙よりも Coherence and Cohesion の判断です。

選ぶことも効きます。違いが15個あっても、15の文を書く必要はありません。構造的な変化(その場所が何になったか、どちらへ広がったか)を取り、小さい差は落とすかまとめる。「the smaller shops along the high street were replaced by cafés and gift shops」のように。

方位と変化の語彙

map のレポートで使う語彙は大きく2系統あり、どちらも Lexical Resource に乗ります。

位置:in the north, to the south of, on the eastern side, in the north-west corner, along the coastline, adjacent to, next to, opposite, surrounded by, on the outskirts, in the centre。ここで多くの人がつまずく区別が1つ。どちらも基準点を取り、前置詞がその内側か外側かを決めます。in the north of X は X の内側、to the north of X は X の境界の外側。a hotel in the north of the town はその町の一部で、a hotel to the north of the town は町の外にある。基準点は後ろに続く名詞であって地図の枠ではないので、「to the east of the hotel」は地図の内側でも成り立ちます。

変化:was demolished, was knocked down, was replaced by, was converted into, was turned into, gave way to, was relocated, was extended, was widened, was constructed, was erected。拡大・縮小には expanded, was extended southwards, spread along the coast, was reduced in size, disappeared, remained unchanged。

最後の1つが効きます。地図では、たいてい何かがそのまま残っている。それを名指しすること(「the church in the centre remained unchanged」)が、ただ描写したのではなく比較したことの証明になります。

Task Achievement を Band 別に

Band 7 は Academic で「presents a clear overview, the data are appropriately categorised, and main trends or differences are identified(明確な概要を示し、データが適切に分類され、主な trend や差が特定されている)」。概要があり、変化がエリアか時期でまとまり、主要な変容が名指しされている。Band 6 は「a relevant overview is attempted」止まりで、まとめ方はゆるい。Band 5 は「there may be a tendency to focus on details」で全体像なし、変化を1つずつ語るレポートがこれ。5 と 7 のあいだにあるのが概要とまとめ方です。そこから 7 と 8 を分けるのは、位置表現の精度と受動態の正確さになります。

Band 9 モデルと、その理由

よくある設問を見てみましょう。「The maps below show the coastal village of Stanton in 1990 and in 2020.」

The two maps illustrate how the coastal village of Stanton changed over a thirty-year period between 1990 and 2020.

Overall, Stanton was transformed from a small farming village into a tourist destination, with almost all of the agricultural land along the shore built on, and new leisure facilities added along the coast and to the east. The settlement expanded in that direction, while its original centre was largely preserved.

The most striking change took place along the coast. In 1990 the shoreline was bordered by farmland and a single track leading to a small pier. By 2020 most of that farmland had been built on: a hotel stood at the western end of the shore, and a row of holiday cottages had been constructed to the east of it. The track was widened into a road and extended along the seafront, and the pier was replaced by a marina.

Inland, the changes were smaller. The church and the surrounding houses in the centre of the village remained unchanged, as did the road running north. To the east, however, the woodland was cleared to make way for a car park and a campsite, which pushed the edge of the village further from its historic core.

このレポートの組み立てを追ってみてください。導入は設問を写さず言い換える。概要は変容(農村から観光地へ)と拡大の方角(東へ)を名指しし、個々の建物には触れない。本論はそこから場所で割れていて、海沿いと内陸で1段落ずつ。紙の上を目で追ってはいません。位置表現は終始正確で(「the western end of the shore」「to the east of it」「to the east」「running north」)、変化はすべて受動態で書かれていて(「had been built on」「was widened」「was replaced by」)、変わらなかったものが1つ名指しされている。これが描写ではなく比較であることの証拠です。205語ほど、2枚とも過去の年号なので通して過去の形で書かれています。

Band 6 で頭打ちにする失敗

いちばん多いのが、目に入った順に変化を1つずつ語ること。「focus on details」の一節が減点するのがこれです。概要なしは既出の Band 5 の罠。パターンに合わない時制は2重に響きます。文法で1回、内容で1回。とくに将来計画の地図を過去形で書く事故が多い。あいまいな位置表現(「on the left」「at the top」)は、場所ではなく絵を説明しているように読まれます。この課題が求めるのは方位と固有の地物です。小さな差を全部並べれば語数は埋まりますが、何も選んでいない。そして変わらなかったものに触れ忘れると、比較が片側だけになります。

毎日5分で叩く

  • 時制判定ドリル。 地図の設問を5つ取り、年号だけを見てパターンに印をつける。両方過去か、過去から現在か、現在から計画か。そして使う時制を書く。1問30秒で、文法の半分は書く前に片づきます。
  • 概要ドリル。 1組の地図で、変容の1文だけを書く。その場所が何になったか、どちらへ広がったか。個々の建物は書かない。
  • 方位ドリル。 1枚の地図から5つの地物を、毎回違う位置表現で描く。in the north, to the south of, adjacent to, along, on the outskirts。これを回すことが、この課題の Lexical Resource の点のほとんどです。

これが IELTS Drills の作りです。フィードバックは1つの Band Descriptor にタグ付けされて返るので、Task 1 レポートが6.5で止まったとき、0.5を落とした原因が、抜けた概要なのか、変化ごとの構成なのか、時制なのかが分かる。そしてその1つを毎日5分で叩けます。

よくある質問

map の時制は? 年号で決まります。過去2枚なら過去形の受動態、過去1枚と現在なら変化に現在完了、現在と計画なら未来形や法助動詞。1文書く前に年号を確かめてください。

map はどう構成する? 4段落。言い換えた導入、個々の建物に触れず変容を名指しする概要、そしてエリア(北と南、海沿いと内陸)か時期(前と後)で割った本論2つ。

map にはどんな語彙が要る? 位置の表現(in the north, to the south of, adjacent to, along the coast, on the outskirts)と、受動態の変化動詞(was demolished, was replaced by, was converted into, was extended)。加えて、変わらなかったものを言う表現を1つ持っておく。

全部の変化を書く? 書きません。構造的な変化を取り、小さいものはまとめる。違いが15個あっても15文書く必要はないし、全部並べるのは Band 5 の「focus on details」そのものです。

「in the north」と「to the north」の違いは? どちらも基準点が要ります。in the north of X は X の内側、to the north of X はその境界の外側。基準点は後ろに続く名詞であって地図そのものではないので、「to the east of the station」は地図の内側でも成り立ちます。取り違えると建物を違う場所に置くことになり、データの誤りとして読まれます。

何語書く? 最低150語、170〜200語あれば2つのエリアを扱う余裕が出ます。20分を目安に。Task 2 は配点が2倍だからです。

まとめ

map のレポートは、書く前に決める2つで方向が決まります。どのパターンか(これで時制が決まる)、そして紙をどう割るか(これで段落が決まる)。そこに、何が動いたかではなく何になったかを言う概要を置き、「on the left」ではなく方位で書き、変化は受動態で書き、そのまま残った地物を1つ挙げる。他の図と、それが概要をどう変えるかはチャート型ガイドに地図があり、line graph・bar chart・pie chart・process diagram・table・combinationの深掘りも並んでいます。IELTS Drills なら、どの軸で0.5を落としているかを、フィードバックが教えてくれます。毎日5分で。